榊千尋は駆け出しのルポライター。
彼は、憧れの大地「北海道」へと旅立とうとしている。
出版業界のオリンピックと呼ばれる「心光展」、
その新人部門である「鋭明展」へと参加するためだ。
彼にとって、この取材は出版業界へ入った理由そのもの。
「心光展」のとある取材記に衝撃を受けて以来、
ただひたすら駆け抜けて、辿り着いた憧れの大地「北海道」。
もちろん不安はある。
でもその不安の何倍、何十倍にも膨らむ期待。
もう我慢はできない。
彼は、カメラを片手にバイクに跨る。
「最高の一枚」を求めて――