[ストーリー]
山奥の館で起こった凄惨な見立て殺人事件を解決して数ヵ月後、
一柳和(いちやなぎ・なごむ)は事件で知り合った役者の日織(ひおり)の誘いで、
ヨーロッパの山中に建造された彼の知人(貴族)の城へ旅行することになる。
城に到着した和は、その外観に困惑する。
それは山間の渓谷に埋められた形で作られており、入り口につながるのは一本の吊り橋だけだった。
出迎えてくれたのは、日織の知人で若くして当主を務めるアルノルトと執事。
歓迎を受けた和は、応接室で他に招かれた貴族やアルノルトの主治医と顔を合わせる。
高貴な身分の人々との団欒に、緊張がなかなかとれない和。
アルノルトとの会話から、彼が数ヶ月前の殺人事件の現場となった館の持ち主、
ルロイ伯爵の末裔であることを知る。
来客はまだ続く。
欧州中世史を研究しているという教授からは、ある不穏な話を聞く。
“この城には因縁や呪いといった、曰くつきの伝承がある……”
初代のルロイ伯爵は黒魔術師で悪魔召喚の儀式を行っており、
城は儀式の失敗により悪魔に取り憑かれた少年を幽閉するために立てられたという。
息子を捜し求めた母親も城で力尽き、今も幽霊として彷徨っているらしい。
この手のオカルトは古い城にはついてまわる話だと日織も言うが、一抹の不安を感じにはいられない和だった。
招かれた客が一通り揃い、食事を終えた後のことだった。
皆が談話室に集まったところで突然の停電に見舞われる。
そして、聞いたこともないしわがれた奇妙な声が響く。
――怨念が強くなってきておるのう……
それは、これから起こる殺人劇の序曲だった……
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