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役者達は、いつの間にやら誰からともなく居間に集まっていた。
「あと何人だっけ」
呑気な口調で聞いたのは“那須”役の男だ。どういう鍛え方をしたんだと問いたくなるほど見事な体格をしている。
「あと、お二人のはずですぜ」
答えたのは“日織”。到着した時は普通の格好だったのに、いつの間にか着流しに着替えていた。どうにもとらえどころのない男、というのが“僕”の評価。
「どっちが先に来るかな」
「さあ。どんな人かわからへんしなぁ」
ソファに並んで座っている双子は“静奈”と“鈴奈”。
「……それ、ずっとやる気なのか?」
テラスの側で煙草を吸っていた“暗石”がぼそりと呟いた。
「つきあって下さらなくてもいいと言ったのですが」
少し困った様子の執事役は“椿”という。台本上の役柄通り、執事として他の役者達を出迎えたのは彼だったが、まさか全員がそれにならう事になろうとは思わなかったようだ。
「まったくだよ、君ぃ! 子どものごっこ遊びじゃないのだからねぇ」
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最後のショートストーリー『目を覚ますまでは』が2/28発売の『ゲーマガ』4月号に掲載されています。
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