「そっか。最初にいたのが次郎だったから、もう一匹が三郎なんだね」
「何よそれー!? 両方雄の名前じゃない!」
「だから、猫が三郎だよきっと」
「どーしてわかるのよ!?」
「だってさ」
膝に付いた猫の毛を払いながら和は立ち上がる。
「姉ちゃんずっと三郎三郎って連呼してたのに、あの犬一度も返事しなかったから」
「あ……」
売店の前から、わん、と元気な声がした。
最後のショートストーリー『目を覚ますまでは』が2/28発売の『ゲーマガ』4月号に掲載されています。