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だがそれ以上にこの奇妙な仕事に対する好奇心の方が大きかった。この業界の住人であるからには、きっととびきりの変わり者に違いないだろう。
――好奇心、猫を殺す。
不意にそんな言葉が浮かんできて思わず苦笑する。まさか、そんな物騒な話なわけがない。それならむしろ、さっきのプロデューサーの方がよほど物騒だ。
なにせあの人は手がけていた番組内で本当に幽霊騒ぎが起きたという伝説の持ち主なのだから。
「何かあったって幽霊よりはマシってもんだ」
根拠のわからない不安など忘れて、変わり者の芝居を楽しんで来る事にしよう。
その変わり者は、名を『帽子屋』と言った――。
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最後のショートストーリー『目を覚ますまでは』が2/28発売の『ゲーマガ』4月号に掲載されています。
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